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昭和歌謡好き大学生の雑記
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T.Ueda

電子機器と昭和歌謡を愛する理系大学生

廃材+3DCADでケーブルハンガーを作る

日付:2023/02/09

1:久々の工作

 ここ最近はなんかあらゆることに対するやる気を失っていたので工作も1年以上やっていなかったのですが、いい加減なんか始めようということで久しぶりにDIY記事を執筆することに。

完成品

 とは言ってもいきなり大がかりな工作(特に電子工作)はしたくないので、今回はCADの練習を兼ねて、簡単な機械加工で机の下に小物とリモコンを吊り下げる金具を作ってみました。

材料

 使用した材料はさびた鉄製アングルの切れ端と、余っていたネジ数本。同様に余っていたアルミアングルを使ってヘッドフォン用のケーブルハンガーも作成しました。

ネジ穴

 筆者がPCデスクとして使用しているこのニトリの机には裏面に使用していないネジ穴があるので、ここにアングル材を固定してケーブルハンガーにしようという計画です。

リモコン 取付

 あと、前回の記事で「リモコンなんて両面テープで固定すればいい」みたいなことを言って机の脚に照明のリモコンを固定しましたが、正直なところ位置が低すぎて使いづらかったので机下に固定することに。

2:「我流のCAD」はやめよう

Inventor

 正直、このくらいなら設計図なし+ボール盤でも十分だと思いますが、今回はCADの練習も兼ねているので学生ライセンスのAutodesk Inventor Professional 2023を使っていきます。「ガチ3DCAD」なので明らかにオーバースペック。

 筆者はこれまでこのCADを我流で適当に使っていたのですが、なんかぐちゃぐちゃになってしまうことが多かったので今回はこちらの書籍を購入。

これから3次元機械設計をはじめる人のためのAutodesk Inventor入門[Inventor 2022/2021/2020対応]

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 その結果、今まで筆者が適当にやっていたことが間違いだらけだったことが発覚したのでCADを使う場合は参考書を購入することをお勧めします。Autodesk社公式のやつもありますが、そっちは結構高いうえに数冊に分かれていてボリュームが凄いので趣味程度ならばこの本で十分だと思います(それでも約4000円だけど)。

モデリング

 というわけで、早速モデリング。ちなみに、3DCADってなんかXeon+Quadroが必要なイメージがありますが、趣味レベルであればi7+内蔵GPUで余裕で動きます。ソフト自体が重いのでミドルスペックくらいは必要ですが。

フィーチャー

 これまでは何も考えずに押し出しのみでどうにかしていたのでタイムラインがめちゃくちゃになっていたのですが、今回は参考書にしたがってきちんとシェルやフィレットを活用したのでフィーチャーの前後関係がしっかり保たれています。

パラメタ設定

 そのおかげで後からの修正も容易にできるようになりました。(意味はないけど)きちんとパラメタの設定も行ったので取付ネジ径やピッチを簡単に変更できるようになっており、将来的に別の机に買い換えた時もある程度は対応できます。

図面

 まあ、結局図面は適当なんですが…

3:「正確に5mm」ずれているわけ

完成品

 というわけで、作成した図面に基づいてフライス盤で加工。今回は精度が必要な部分が少なかったので、2つ合わせて約3時間で完成しました。

取付

 デジタルスケール付きのフライス盤で加工したので穴位置はピッタリ。

ねじ穴 傾き

 ヘッドフォン用ハンガーのほうも高精度に加工…あっ…(アングル材は固定が難しいので、たぶんクランプ時に傾いていたせいで穴が斜めに開いた)。

リーマー

 まあ、リーマーで広げればなんとかかるやろ。

取付位置のずれ

 そして、取付穴径はピッタリだったものの穴位置がちょうど5mmずれていてスキマが空いたのでゴム板で埋めることに。正確に5mmずれていたのでほぼ確実にアキューセンター(芯出しバー)の半径5mmの補正を忘れていたことが原因。

 「アキューセンターって何?」といわれそうですが、ざっくり言えば直径10mmの棒を加工対象物に押し当て、そのブレ具合を見ることで高精度に基準位置を測定できる器具のこと。簡単に㎛単位で位置合わせが可能ですが、「直径10mmの棒の中心」が基準位置になるので5mmオフセットしないとすべての位置がずれるというわけです。詳細は「アキューセンター 使い方」でググってください。

4:便利…なのか?

リモコン 取付

 紆余曲折ありましたが無事取付が完了。机の下に照明用リモコンとUSBケーブル、メジャーを収納することができました。
 この位置はちょうど座った時に右手の伸ばした位置にあるので、すぐにアクセスできて便利です。ただ、照明のリモコンは横向きについているのであんまり操作しやすくはないのも事実です。ちなみに、リモコンはこの向きでも意外と落下の心配はなさそう。

ヘッドフォン用ハンガー 取付位置

 ヘッドフォン用ハンガーのほうは、「こんなところに取り付けてどうするの?」って感じですが…

USBケーブル 固定

 フロントのハンガーに加えてサイドにUSBケーブルを固定できるようになっていて、こんな感じでPCからUSB端子を引っ張り出すことができます。

ヘッドフォン 接続

 そして、そこにUSB DACを接続し、ヘッドフォンのケーブルの余長は前面のフックに引っ掛けられるというわけです。不安定だけどヘッドフォン本体も掛けられるので便利。

ヘッドフォン ケーブル 変化

 これによって、PCでヘッドフォンを使う際に机の上を這っていたケーブルをなくすことに成功しました。ついでにUSB3.0ポートも延長ケーブル(たしか規格違反)で手元に引っ張り出しているので便利。

4:今回のまとめ

 というわけで今回は、簡単な機械加工で便利グッズを自作してみたという内容でした。要点をまとめると

  • CADは我流の使い方をせず、ちゃんと参考書を買おう
  • アキューセンターの太さを忘れるな
  • USB延長ケーブルは規格違反だけど便利。

次回はもう少し高度な内容ということで「ARMマイコンの割り込みを理解しよう」を執筆予定。