タクテク
昭和歌謡好き大学生の雑記
プロフィール

プロフィール画像

T.Ueda

電子機器と昭和歌謡を愛する理系大学生

Mi 11 Lite 5Gの欠点は1つ

日付:2021/07/28

1:懸念事項は2つ

Mi11 lite 5G 全体

 昨日発売され、そのコスパの高さから各所で話題になっているXiaomi Mi11 lite 5G。筆者もその驚きのコスパにひかれて速攻で予約購入したので、その使用感をレビューします。

 まずは基本的な特徴から。販売価格は4万3000円とミドルクラスですが

  • SoCは最新のSnapdragon 780G
  • RAMは余裕の6GB
  • 10-bit表示やHDR、高リフレッシュレートにも対応するOLEDディスプレイ
  • 5G、Wi-Fi6対応
  • 33W急速充電
  • Android11
  • Android Enterprise Recommendedデバイスなのでアップデートが保証されている

と、ハイエンド並みのスペックを有しています。しかもまさかのおサイフケータイ対応で、さらに極めつけはスペックマシマシなのに軽量・薄型という、もはや欠点が見つからない仕上がり。というわけで、スマホの買い替えサイクルが非常に長い(11年で2台)筆者も思わずポチってしまったわけです。しかも、普段はレビューがある程度出揃ってから購入するのですが人生で初めて予約購入してしまいました。
 ただし、懸念事項もあります。それは、

  • 6.55インチと巨大なため、操作しづらそう
  • Androidを割とゴリゴリにカスタマイズした「MIUI」とかいうやつが入っている

という2点です。サイズは正直ほぼ外出しないので別にいいですが、個人的には素のAndroidが好きなのでMIUIの使い勝手は不安です。また、筆者にはあまり関係ないですが防水性能が低いのも欠点ではあります。というわけで、その辺を実際に確認していきます。

2:デカいけどホールド感は良好

外箱

 予約購入なので、発売日の翌日に速攻で届きました。筆者は同時にガラスフィルムも買ったのですが、実は出荷時に保護フィルムが貼られていたので必要なかったです。外箱は何となくAppleをイメージしたような作りで、上のフタが「スポッ」と外れます。

外箱 QCマーク

 粗悪品でおなじみのQCマークもオシャレな感じで印刷されています。というか、QCマークって印刷したら意味なくない?

付属品

 では、付属品を見ていきます。まずは充電器とType-Cケーブル、そしてType-C→3.5mmステレオミニジャック変換アダプタ。イヤホン端子はありませんが変換ケーブルがついているので合格です。ただし、変換ケーブルはかなり安っぽいです。また、Type-Cケーブルはカラーリングがまさかのオレンジで、しかも割と硬くて取り回しづらいです。この辺はあくまでオマケといった印象。

33W充電器

 次に充電器を詳細に見ていきます。スナドラ搭載なのでPDやQCにも対応していますが、この付属の充電器を使えば33Wの急速充電を行うことができます。具体的には11V・3Aで充電するようですが、33W充電は体感できるレベルで高速でした。その代わり発熱量もやや多めでしたが、急速充電性能はかなり優れていると言えるでしょう。

TPUケース

 そして、中華スマホなのでTPUケースが付属しています。こういうのってありがたいですよね。

カメラ 出っ張り

 また、このTPUケースが割と優秀でカメラの出っ張り部分の周りが出っ張っていて、机に直接カメラが当たらないようにしてくれます。筆者はカメラの出っ張りが嫌いなタイプですが、これなら安心です。ちなみに、カメラは64Mメイン、8M超広角、5Mテレマクロのリア3眼+フロント20Mの構成です。何気にフロントカメラも20MPixelあるのがすごい。

ホールド感

 そして、気になるホールド感ですが、確かに巨大ではありますが非常に薄く、かつベゼルが狭いのでホールド感は良く、操作性も良いといった印象でした。筆者はクラスで1,2を争う低身長ですが、それでも別にデカいとは感じなかったです。また、重量が159gと非常に軽量なのも高評価です。

側面

 発表会で「側面の品質にこだわった」みたいなことを言っていましたが、実際見た目は非常に綺麗です。

背面

 背面の質感も高く、またカメラ周りも割といい感じにまとまっていて、多眼カメラにありがちなダサい感じがしないのがいいです。

指紋認証センサー

 指紋認証センサーは側面の電源ボタンに搭載されているのですが、最近主流の背面指紋認証センサーや、画面埋め込み式に比べて目視せずとも、机に置いたままでも認証できるので非常に便利です。また、認証速度が爆速なので快適です。ちなみに、電源ボタンの上には音量調節ボタンがあります。

パンチホールカメラ

 フロントカメラはパンチホールで、個人的にこのパンチホールカメラは見た目や操作性が今一つなんじゃないかと思っていたのですが別にさほど気にならない印象です。アプリのUIがかぶるといったことも今のところないですし。まあ、フロントカメラなんて人生で1度も使ったことがないのでできれば「フロントカメラなしのスマホ」とか作ってほしいのですが。

ディスプレイ

 ディスプレイは2400x1080、402ppiもあるのでかなり高精細です。さらに、リフレッシュレート90Hz、タッチリフレッシュレート240Hzに対応しているのでヌルヌル動きます。また、高DPIですがSoCが強力なので地図表示などももたつかず、こちらもヌルヌル動きます。HDRや広色域にも対応しているようですが、その辺はよくわかりません。

ディスプレイ設定

 また、個人的には360度周囲光センサー読書モードが搭載されているのがメリットだと感じました。360度周囲光センサーというのは文字通り全方向の照度を測定してディスプレイ輝度を自動調節する機能ですが、今まで一方向から光が差してディスプレイが過度に明るくなるということが多々あったのでこれは便利そうです。読書モードというのはよくある暖色にすることでブルーライトをカットする機能に加えてディスプレイ上にザラザラ感のあるテクスチャをオーバーレイしてくれる機能が搭載されています。同等の機能がEIZOのディスプレイにも搭載されているのですが、これがディスプレイのギラツキ感を抑えてくれて非常に便利なので、細かい機能ですがオンにするのをおすすめします。

SIMスロット

 SIMスロットは2つあり、うち1つはMicroSDと排他利用という「いつもの構成」ですが、トレイが2枚を上下に重ねて挿入する珍しい形状でした。ちなみに、初めてのSIMフリー端末だったのですが、docomoのSIMは挿入するだけで自動設定され、APN設定等は一切不要でした。

3:ややクセのあるMiUI

ホーム

 というわけで次はソフトウェア周りを確認していきます。OSは最新のAndroid11をベースに、割とゴリゴリにカスタマイズしたMIUI12が入っています。最近までアプリドロワーすらなく、完全にiPhoneのパクリOSであったMIUIですが、筆者がしばらく触った印象としてもどことなくiPhoneっぽいといった感じでした(iPhoneは使ったことがありませんが)。

アプリドロワー

 幸いアプリドロワーはアップデートで搭載されたようですが、何とドロワー内でアプリの並び替えができないという非常に不便な仕様となっています。やはりiOSのようにホーム画面に全アプリを出しておく想定のようです。まあ、Androidなのでどうしても気に入らなければ別のランチャーアプリを入れれば解決できるのですが。

アプリ管理

 また、プリインストールアプリはわりかし削除できるものが多く、セルラースマホのような不便さはないのですが、アプリ管理画面を見ると思いっきりQualcommのAPIっぽいものがズラリと並んでいるなど、やや粗削りな印象があります。ちなみに、ストレージは128GBですが初期状態での使用量は20GB弱といったところです(そういえば初代スマホのROM容量は250MBでした)。

純正音楽アプリ

 以前に使用していたスマホがGalaxyなのですが、プリインストールアプリやUIの出来は正直なところGalaxyのほうが圧倒的に高いといった印象です。例えば、純正音楽プレイヤーも何となく使いづらいですし、設定画面も階層構造がごちゃついていてわかりづらいです。また、MIUIはアニメーションや効果音が多く、それらをオフにできないのも割と面倒です。この辺はやはりシェア1位のSamsungに軍配です(ただし、Samsungは外部キーボード接続時のIMEに制限がかかるのが難点)。

追記

 3週間ほど使用した感じでは、MIUIは慣れてしまえば普通に使えるといった印象です。ただし、気になる点としては

  • SmartLock機能がない
  • 着信音や背景を変更するときに、毎回テーマアプリに飛ばされる

といった項目が挙げられます。

追記:MIUI12.5 アップデートでバッテリーの持ちが改善

MIUI12.5

 先日、日本にもMIUI12.5へのアップデートが配布されました。アップデート内容は

  • Super Wallpaperの追加(ライブ壁紙の進化版みたいなもの、いらん)
  • システムのリソース消費22%削減・バッテリー消費15%削減
  • ジェスチャー機能のレスポンス改善(専用スレッドにしたらしい)
  • 純正ノートアプリの改良(使わない)

といった感じで、特にリソース使用量の削減によるバッテリー持続時間の改善は体感できるほどでした。それ以外はあまり関係ないか、むしろSuper Wallpapaerについてはアップデート後に勝手に既存壁紙がSuper Wallpaperに変更されたので面倒でした。

4:カメラ性能を「軽く」見ておく

 世間的には「スマホ選びで大事なのはカメラ性能」のようですが、筆者は「映え」とは無縁の生活なのでカメラ性能は軽く確認します。まず、カメラ構成は冒頭でも少し触れましたが

  • 64MP メインカメラ(f1.79)
  • 8MP 超広角カメラ(FoV119°)
  • 5MP テレマクロカメラ(3~7cm)
  • 20MP フロントカメラ

という構成です。

64MPメインカメラ

 まずはメインカメラから。暗所性能を確認したかったので曇りの日の夕方にカーテンを閉め、照明を切ってかなり暗い状況で撮影。ややのっぺりしてはいますが手持ちで普通に撮影できました。「ハイエンドカメラに迫る」とかいうほどではないけれど、暗い室内でも普通に撮れちゃうといった感じです。

超広角カメラ

 次に超広角カメラ。これは切り替えた直後にすぐに気づいたのですが、かなり画像がゆがみます。ゆがみ補正をオンにしているのですが、それでも写真のように普通のワイドモニターがなんか変な形になっています。

テレマクロカメラ

 そしてテレマクロカメラですが、こちらはめちゃくちゃ寄れるので面白いですし、特にブログ記事において接写画像がほしい場合が多いので何かと便利そうです。

5:まとめ

  • 最新SoC+高性能ディスプレイ+おサイフケータイ対応で死角なしのスペック
  • デカいけど意外と持ちやすい
  • 質感高し
  • MIUIはちょっとクセがある

というわけで、MIUIにクセがあること以外はほぼ完璧と言えるでしょう。

おまけ:高コスパの理由と広告ビジネスについて

安さにはワケがある

筆者は何か製品を選ぶとき、この名言(?)を思い出すようにしています。今回のXiaomiのスマホが異常なほど高コスパである理由は、ITmediaの記事で示されています。それは「ハードウェアでの利益は5%以上出さない」というXiaomiの理念です。一般的な製品の利益率がどの程度なのか、筆者はよく知りませんが少なくとも大抵の製品は希望小売価格から5%以上値下げして売られているイメージがあるので、恐らくは5%はめちゃくちゃ少ないと思います。
 で、じゃあどうして5%でやっていけるのかという話ですが、これは純正アプリ内で広告を表示して広告収入を得ているからという見方が一番自然です。今のところ広告は配信されていませんが、設定には広告に関する項目があります。しかし、とは言っても頻繁に広告が配信されているわけではないので「本当にそれだけだろうか」と考えてしまう部分もあります。具体的には「ユーザー情報を収集して販売しているのではないか」といった懸念です。インターネット上では少なからず「中国企業の製品は情報を抜き取っているから使うな」みたいな意見を目にしますし、実際Xiaomiは自社製ブラウザにおける無断でのユーザーデータ送信が発覚したことがあるようです。
 しかし、だからといって中国企業の製品を使わなかったとしても事態は改善しないと筆者は考えています。インターネットを利用する以上いわゆる「ビッグテック」のサービスを利用するわけで、そこからユーザーデータが収集されるわけですし、そもそも「日本企業の製品が安全」なんて保証はどこにもないですから(ちなみに、これは完全に個人の根拠のない考えですが、日本企業の製品は恣意的な情報収集は行っていない代わりに技術力が低くてそもそもセキュリティ的にガバガバな気がします)。
 というわけで、Xiaomiが信用できるメーカーなのかどうかは判別できないですが、そんなことはもはやどうでもいいと筆者は考えています。また、そういう意味ではAppleはボッタクリ価格で端末を販売する代わりに情報を売ってもうける必要がないのでプライバシー保護の観点では強いと思います。まあ、結局iPhoneでGoogleのサービスを使うので無意味ですが。